徳洲会への移籍、看護師ら拒否
医療法人「徳洲会」が4月から指定管理者となる大阪府和泉市立病院で、看護師らの半数以上が、市事務職員への職種変更や退職を希望していることがわかった。
病院に残ると給与が下がることが主な理由とみられる。人員確保を目指し、徳洲会は病院で引き続き勤務する看護師らを対象に、一定条件を満たせば返済の必要がない就業支度金制度を設けたが、費用は市が全額を負担するため、市議からは「税金投入はおかしい」との声も出ている。
市によると、常勤の看護師と准看護師計197人のうち徳洲会へ移籍して病院に残るのは89人。74人が職種変更を希望し、34人が退職を希望した。放射線技師など医療技術職員は57人中病院に残るのが17人で、職種変更希望者が30人、退職希望者が10人いるという。
就業支度金は50万~300万円を貸し出し、病院に3年以上勤めれば返済を免除する。新規採用者も対象。市は2014年度当初予算案に、支度金の費用として約3億5800万円を盛り込んだ。
辻宏康市長は、24日の記者会見で「医療水準を維持するために必要な費用」と理解を求めた。これに対し、予算案を審議する市議の一人は「人員確保は運営を引き継ぐ徳洲会の責任。新規採用者にまで返済不要の金を貸すのはおかしい」と批判している。