多剤耐性菌の監視強化へ…厚労省、院内感染受け

厚生労働省は、複数の抗生物質が効きにくい「多剤耐性菌」の監視体制を強化する方針を固めた。

多剤耐性アシネトバクターなど2種類の感染者について、全ての医療機関に保健所を通じて国に報告するよう求める。感染予防や治療法選択に役立つと期待される。

報告を求めるのは、多剤耐性アシネトバクターと、抗生物質の切り札とされるカルバペネムを分解する腸内細菌の感染者。2010年に多剤耐性菌の院内感染が問題になったことを受け、アシネトバクターは約500か所の指定医療機関から報告を受けているが、それだけでは把握が不十分だった。カルバペネムの分解細菌については報告制度はないが、欧米での感染が拡大している。