薬剤師着服、町長ら6人を減給処分

岩手県洋野町国民健康保険種市病院に勤めていた薬剤師の男性(52)が14年以上にわたって医薬品を東京の業者に転売し、代金約1億7000万円を着服していたとされる問題で、町は29日、病院を管理監督する水上信宏町長、日当博治副町長ら6人を減給処分にした。

12月2日からは薬剤師の募集を始め、再発防止に向けた体制作りに取り組む。

町議会臨時議会が29日開かれ、町は病院の管理監督責任者に対する処分として、特別職の職員給与を定めた条例について、町長、副町長を減給とする改正案を提出。議員17人が出席し、全会一致で可決された。処分は同日付。条例は12月1日に施行される。

これにより、水上町長は来年1月28日の任期満了日まで減給10分の3、日当副町長は2月15日の任期満了日まで減給10分の2の処分となる。給与は水上町長が月額68万4000円から同47万8800円に、日当副町長が同57万3000円から同45万8400円に減額される。

町は、病院の漆久保潔名誉院長と磯崎一太院長、事務長、元事務長の4人も、それぞれ減給10分の1(3か月)の処分とした。

臨時会では、条例改正について異論はなかったものの、「問題の全容解明前の処分が適切か」「病院内の事務はどういう改善をしたのか」などと、質問が出された。

町は病院の薬剤師を若干名募集するが、「(再発防止に向けて)2人は確保したい」としている。