「当選者数水増し告発で解雇」秋田書店、争う構え 東京地裁

消費者を騙した秋田書店 不当解雇の法廷紛争に

 

漫画雑誌の読者プレゼントの当選者数を水増ししたとして消費者庁から措置命令を受けた秋田書店の元社員の女性(28)が「不正を告発したら懲戒解雇された」として、同社に解雇撤回などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、東京地裁(竹田光広裁判長)であった。秋田書店側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

原告側によると、女性は平成19年に秋田書店に入社後、プレゼント業務を約4年間担当。前任者からの引き継ぎで当選者の水増しを知り、上司に抗議したが、不正を続けるよう要求されたという。

女性はその後、睡眠障害などを発症し、23年9月から休職。昨年2月に「読者プレゼントを発送せず、盗んだ」とする解雇通知を受け、3月末に解雇された。原告側は「盗んだ事実はなく、休職中の解雇は無効」と主張している。

女性は法廷で意見陳述し「会社は違法行為をただすのではなく、私を解雇することで隠蔽(いんぺい)する道を選んだ。会社の体質が変わらない限り同じことが必ず起こる」と訴えた。