在宅療養者に手帳 埼玉・秩父市、医療と介護の連携強化
埼玉県秩父市や秩父郡市医師会などは、医師や介護関係者が、在宅療養している人の治療経過や生活情報を共有できる「私の療養手帳」をつくった。
医療と介護の連携を強化する狙いで、本人や家族も手帳を提示すれば説明の負担などが軽減できるという。県内初の試みで15日から無料配布する。
手帳には必要な介護の度合い、可能な生活動作、食事のバランスなどのほか、医師が病名や治療経過を記入する欄がある。歯科医師が虫歯など口内の状態を書く部分もあり、ページを増減できるファイル式で、情報が分かりやすく整理できる。普段は本人や家族が管理し、診療や介護を受ける際に提示する「共有カルテ」のようなものだという。
同様の手帳は、京都府長岡京市などで導入されており、約7割が在宅療養サービスに有効と受け止めているという。秩父地域は65歳以上の人口が約3万人で高齢化率は28%で、今後の在宅医療や介護は課題となっている。秩父市地域医療対策課は「医師や福祉関係者の連携を促進し、医療や介護サービスの向上につなげたい」としている。
手帳配布の対象者は秩父地域在住で、医療や介護、福祉など複数のサービスや制度の利用者。問い合わせは秩父郡市医師会(0494・22・0570)へ。