肺移植の3歳児退院=「中葉」で世界初-岡山大病院

岡山大病院(岡山市)で7月、国内最年少の肺移植の手術を受けた関西地方在住の男児(3)が26日、退院した。中葉と呼ばれる肺の部位を用いた生体移植では、世界初の成功例。肺の一部を提供した30代の母親は、退院前に取材に応じ「感謝の気持ちでいっぱい。普通の子と同じように遊べるようになればうれしい」と語った。
男児は骨髄移植の拒絶反応で肺の機能が低下。肺移植では通常、下葉を用いるが、男児の体格には大きすぎるため、より小さい中葉を用いた。
母親は「一緒にお好み焼きやたこ焼きを作りたい。遊園地とか、公園とか、今まで行ったことがない所へも連れて行きたい」と、退院後の生活が待ち切れない様子で話した。
執刀した大藤剛宏医師によると、男児は歩いて病院内を回り退院のあいさつをした後、両親らに付き添われて帰宅したという。大藤医師は「未知の手術だったが、今まで助けることができなかった小さな子どもたちに、希望の光を当てることができた」と語った。