診療放射線技師塚本正人に実刑判決

医師を装い末期がんの患者を診療して薬代をだまし取ったとして、医師法違反と詐欺の罪に問われた東京都八王子市、診療放射線技師塚本正人被告(47)の判決で、横浜地裁(前沢久美子裁判官)は20日、懲役2年6月(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。

      前沢裁判官は、被害者をだまし続けた行為を「被告をがん治療の権威と信じ込み、わずかな望みを託した被害者の怒りや憤りは計り知れない」と批判。「憧れや見えから家族にも医師と偽って長年生活した経緯や、借金を抱えて金が欲しかったという動機は、自己中心的で酌量の余地はない」と非難した。

 判決によると、被告は昨年9月10日から今年1月26日ごろにかけて、がんを患う男性=当時(46)=に対し、15回にわたって視診や問診などを行い、市販の栄養補助食品をがん治療薬と偽って販売。薬代として計約270万円をだまし取った。