医療費38・4兆円…10年連続で最高額更新

厚生労働省は10日、2012年度の医療費(概算)の総額が38兆4000億円(前年度比1・7%増)に上り、現在の調査方法となった00年度以来の最高額を10年連続で更新したと発表した。

国民1人当たりの医療費は30・1万円(同1・9%増)で、初めて30万円を超えた。

概算医療費は、自由診療を除く医療費の合計で、伸び率は前年度の3・1%から鈍化した。1人当たりの医療費を比較すると、70歳未満が18・1万円だったのに対し、70歳以上は80・4万円、75歳以上は91・5万円だった。70歳以上の高齢者にかかった医療費は17兆4000億円と、全体の45・4%を占めた。

医療費総額の伸び率を都道府県別に見ると、宮城県が4・3%で最も高かった。厚労省は「東日本大震災からの復興が進み、医療機関が再建されているため」と分析している。宮城県以外では、東京都(2・8%)、神奈川県(2・7%)、福島県(2・6%)、千葉県(同)などの伸び率が高かった。