男性看護師人材確保へ 交流で学生らにPR…三重
三重県内で男性看護師が増えている。しかし40、50歳代が少なく、将来像を描けず不安を抱える若い男性看護師も多いことから、横のつながりを強めようと三重男性看護師会が発足。後に続く男性看護師を増やそうと、高校生や看護学生へのPRを始めた。
厚生労働省や県によると、県内の男性看護師は2008年506人、10年622人、12年755人と着実に増加。しかし、県内の看護師全体に占める割合は12年が5・4%と、全国平均6・2%を下回っている。
同会代表の県立看護大(津市)の前田貴彦准教授(39)は、病院の垣根を越えて連携して男性看護師の存在を知ってもらい、キャリアについても話し合おうと、昨年11月に同会を結成した。
今月22日には、男子高校生や男子看護学生を対象に同大でトークイベントを初めて開催。現役の男性看護師が学生らと交流した。
イベントでは、5人の男性看護師が「病院実習では男性用の更衣室がなく廊下で着替えた」「高校が男子校で、看護学校に進学した卒業生がおらず、進路を相談する人がいなかった」などと、看護師になるまでの苦労を明かした。
「力があるので患者の移送、体位変換で役立っている」「泌尿器科などでは、女性看護師に抵抗がある男性患者がいる」と男性看護師のメリットも紹介した。
自身も小児科の看護師だった前田准教授は、「患者に男性も女性もいるように、看護師も男女が必要。どちらもいることでよりよいケアができる」と指摘。「臨床はもちろん、管理、教育などの分野もあり、多様な働き方ができる。交流しながら悩みを軽減し、もっと男性に看護師になってもらいたい」と話している。